借金で困っている方々の相談

 消費者金融等からの借金に困っている方の相談をお受けすることが良くあります。

 私は、相談者にできるだけわかりやすく説明し、不安を取り除くために、まず、次のような説明をすることにしています。

 「借金の問題を解決する場合、解決方法は二つしかありません。『返す』か『返さない』です。」

 相談者の中には、当たり前じゃないかと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、そもそも「どうにもならないのじゃないか」と追い詰められている方がたくさんいらっしゃいますので、このように説明することにしています。

 また、つけくわえで「たまに自ら命を絶たれる方もいらっしゃいますが、全く解決にはなりませんよ。相続人に借金を相続させて、余計迷惑を掛けて借金は残るだけです。何もいいことはありません。」と説明することもあります。

 さて、二つの方法の内、「返す」場合ですが、これは任意整理や民事再生(個人再生)といった方法があり、詳しい内容までは書きませんが、無理なく返済できる範囲で分割弁済していく方法です。返済が長期に渡る場合もありますので、返済できるだけの収入や資力がないと困難ですが、自宅不動産などを保持できる場合があるというメリットがあります。

 「返さない」というのはいわゆる自己破産がこれにあたります。
 
 破産、というとなにか烙印を押されたように感じられる方もいらっしゃるようですが、破産法というのは借金が支払えない人に罰を与えるための法律ではありません(ネットなどで喧伝されている不利益のほとんどはデマです。詳しくは弁護士にご相談を)。

 むしろ、借金から解放してその人の経済的更生を図ることを目的としています。

 個人の場合、破産というのは、簡単に言ってしまえば、債務者個人が所有する財産(生活に必要不可欠なものを除く)をお金にかえて、債権者の方々に平等に配当し、残った借金については「もう返さなくて良いよ」という裁判(免責)をすることです。

 ただ、破産法のもう一つの目的としては、損を被る債権者(貸金業者など)を平等に扱い、財産隠しなどがないよう手続の公正性・透明性を図るということもあります。みなさんがお金を貸している立場になれば、これが大事なことだとわかるはずです。ですから、裁判所に対してする資産状況等に関する報告には協力していただかなければなりません。
 
 このように、借金問題は、どうにもならない問題ではなく解決できる問題なのです。そして、時効で消滅することがあることを除けば(消費者金融等では時効の管理をきちんとしているので、債権が時効で消滅する前に裁判を起こされることがほとんどです)、時の経過が問題を解決してくれることはありません。

 借金を返すために、他の業者から借入を始めたら、もう支出が収入を上回っているということです。こうなれば、借金はあっというまにふくれあがるばかりです。お早めに弁護士に相談されることを強くお奨めします。