はじめまして。今年の1月から法テラス静岡法律事務所に赴任いたしました川澄馨子(かわすみけいこ)です。これから宜しくお願い致します。

今日は、最近見た映画の話をしようと思います。
昨年末、弁護士が主役の映画、ということで三谷幸喜監督の「素敵な金縛り」という映画を見ました。

内容は、幽霊が証人となり法廷に立ち、深津絵里さん演じる弁護士が証人尋問?をして事件の真相を裁判で明らかにする、というものなのですが、なにせ深津さんがすごくかわいいのです。また、強いメッセージ性があるわけではないものの、笑いあり、涙ありで、見終わった後にちょっと元気がでて、なんとなく優しい気持ちになって、なぜかさわやかな気持ちになれる、非常にお勧めの映画です。

ところで、この映画、刑事裁判を舞台に進んでいきますが、実際の裁判とはかなり趣が異なります。
「映画だから当たり前だ」というお声をいただくのを承知の上、どんなところが違うのか、私が気になった点を少しだけご紹介します。

まず、良く勘違いされるところですが、裁判長が、「静粛に」といって机を叩く木槌はありません。
次に、裁判の後、裁判官と検察官と弁護人が控室のようなところでお茶をのみながら、喧々諤々の議論をしていますが、そんなこともありません。確かに、実際の裁判でも、複雑な事件になると、裁判官、検察官、弁護人が一堂に会して、期日前に「公判前整理手続」という手続を行うことがありますが、これは審理計画を策定するための手続であり、映画のようにゆったりとお茶をしながら互いの主張を論破する、というものではありません。
また、裁判が行われている最中に、突如傍聴席に座っている人を指名して「この人を証人として申請します」というようなこともありません。通常は、事前に検察官と弁護人は話をして、誰を証人に呼ぶのか、相手方と裁判所に伝えたうえ、証人に時間に合わせて裁判所に来てもらっています。
他にも色々とありますが、書ききれないので、今日はこの辺にします。裁判所は開かれており、誰でも傍聴ができるようになっていますので、皆さんも是非裁判所に足を運んで、映画との違いを発見してみてください。