ヤミ金について

1 ヤミ金という言葉は聞いたことがあるでしょうか。一般に,貸金業者として登録しておらず,年利109.5%の利息を超えて利息を請求する業者のことです。
このような超高金利の貸金契約を結ぶことは貸金業法で禁止されており契約は無効となります。スポーツ新聞や,ダイレクトメールで「無審査で○○万円までお金貸します。」等と宣伝する業者はたいていヤミ金業者です。
ヤミ金業者の特徴として,自宅や就業先に執拗かつ威圧的な催促の連絡があることです。ひっきりなしに電話がかかって来て,日常生活に支障をきたしてしまうほどです。場合によっては退職せざるを得なくなります。
2 弁護士がヤミ金からお金を借りて困っているという相談を受けた場合,弁護士は,「受け取った元本も含めて1円たりとも返すな。」と指示しています。真面目な依頼者の方は,「借りたものすら返さなくていいのですか?」と質問してきます。
そうです。借りた分すら返す必要はないのです。貸金契約が無効ならば利息は返す必要はなくても受け取った金額は返さなくてはいけないように思えます。この感覚は,受け取ったものを持っている法律上の根拠がないという「不当利得」にあたるので極めて正当です。
一方で,違法な原因で給付した場合,給付した側が自ら行ったことが違法で無効だから返してくれと求めることはできないというのも頷ける話で,法律も不法原因給付として不当利得の例外を認めています。
3 超高金利で金を貸し付け,生活を脅かすほどに催促する行為は暴利行為として公序良俗に反し違法です。したがって,ヤミ金業者がヤミ金行為が暴利行為で無効だから貸した分を返せとは言えないのです。むしろ,こちらには非がないのですから利息の契約も無効である以上,支払った金銭全ての返還を求めることができます。
4 ヤミ金業者は,多くが振りこめ詐欺と同種の反社会的勢力の人たちです。生活に困ったら,ヤミ金は絶対に利用せず,法テラスにご相談ください。