「押し買い」の規制がスタートしました。
先日、特定商取引法の一部が改正されました。
いわゆる「押し買い」についても、特定商取引法の規制対象とすることになったのです。
「押し買い」とは、字のごとく、業者が、自宅を訪問し、貴金属などの物品を破格の値段で無理やり買い取るという手法です。
従来は、「押し買い」については、古物営業法などによって規制するほかありませんでした。しかし、古物営業法の規制対象が、同法が規定する「古物」に限られるなど、使い勝手がいいものではありませんでした。
一方で、平成22年頃から、押し買いの被害が急増するようになったため、今回の改正に至りました。
今回の改正によって、業者が、飛び込みで自宅に訪問して物品等の購入の勧誘をすることは、一定の例外を除いて禁止されるようになりました。違反した業者には、行政処分や罰則が科されることになります。
また、クーリングオフも適用されますので、契約すると約束してしまった場合でも、法律上定められた事項が記載された書面を交付された日から8日間は、引き渡しを拒否することができます。
ですので、とにかく、「売ります」と言ってしまった場合でも、物品を渡さずに、ご家族等に相談をし、おかしいと思った場合には、クーリングオフをするようにしてください。
もし、業者に対して、「帰ってほしい。」と言っているのに業者が帰らない場合には、業者は、不退去罪という犯罪にもなります。
なお、今回の改正では、自動車(二輪車を除く)、電化製品(携行可能なものを除く)、家具、CDやレコードなど、書籍、有価証券については、規制の対象外としています。押し買いによるリスクが少ない、または、流通を阻害するという理由からです。
また、御用聞きや常連の取引、自分から買取を請求した場合なども適用の除外となります。
いずれにしても、売却をする場合には、その場で判断するのを避けるようにしてください。