前回に引き続き、保険の話を少し。

 前回は、保険の仕組みや保険の考え方をお話しましたが、今回は、医療保険を前提に保険の掛け方について簡単にお話したいと思います。

 まず、保険の掛け方は、定期保険と終身保険とに分けることができます。
 定期保険は、1年や5年といった一定期間のみ保険を掛けるというものであり、終身保険は、自分が亡くなるまで保険を掛けるものになります。
 つまり、この二つで異なるのは保険期間ということになります。ちなみに定期保険は、保険を更新することで保険期間を延ばすことができますが、基本的に更新ごとに保険料が高くなるうえ、年齢以降(60歳や65歳等)は更新できず、それ以降は、条件の悪い高齢者用の定期保険が用意されていることが多いです。
 つまり、何歳まで保険を掛け続けるかによって、両者を使い分けることになります。60歳以降も同じ保険を掛け続けたいのであれば、終身保険を選び、ある一定年齢まで保険があればいいというのであれば、定期保険を選ぶことになるでしょう。
 また、掛け方によって毎月の保険料がかなり異なります。定期保険は、年齢によって入院等のリスクが異なりますので、若いころは保険料が安いですが、更新ごとに保険料の方が高くなります。一方、終身保険は、亡くなるまで更新せずに同じ保険を掛け続けますので、保険料が上がりません。若年のころは定期保険より割高な保険料となりますが、高齢になると定期保険より割安になります。
 さらに終身保険の場合、終身払や60歳までに全額払込等払込期間を選ぶことができます。終身払は、亡くなるまで保険料を払い続けますが、60歳払込は、60歳までに全額払い込みを行い、それ以降は保険料を払う必要がありません。そのかわり毎月の保険料は高めになります。自分がとある医療保険で試してみたところ、総額の保険料額は、67歳までは60歳払込の方が高く、それ以降は終身払の方が高い計算になりました。この場合、67歳以降も長生きする自信があれば、60歳払込を選択した方が得であり、その逆であれば終身払込の方が得ということになります。
 
 よって、選び方の目安としては、同じ保険を60歳以降も掛け続けたい場合、終身保険を選び、そのうえで長生きする自信があるなら60歳払込を、自身がなければ終身払込を。60歳以降も同じ保険を掛ける必要がない場合や年齢ごとに保険を見直し・変更したいというのであれば定期保険を選んだ方が良いということになります。
 なお、終身保険を決めるまで定期保険で繋ぐ方法や、終身保険に入る一方、働き盛りの時期だけ定期保険にも入り、保険内容を厚くする等の方法がありますので、あくまで目安と考えて検討されると良いかと思います。