2回試験

 11月18日から2回試験が始まります。2回試験とは,正式名称を「司法修習生考査試験」といいます。司法試験に合格して司法修習生となり,1年間研修を積んだ後,法曹資格を得るために受ける試験です。司法試験に合格しても,2回試験に受からないと弁護士になれないのです。
 2回試験は,司法試験に比べると一般の方々にはなじみがないと思われますが,我々法曹にとって司法試験よりもある意味過酷な試験です。
 試験科目は,民事裁判,刑事裁判,検察,民事弁護,刑事弁護の5科目があります。実際にあった事件をベースにして実際に提出された証拠をアレンジしたものであり,試験問題は100ページに及ぶことも少なくありません。試験問題となるような事案なのですから,当然事案は複雑で,結論が直ちに出せるものではありません。受験生は,法律知識に加え,1年間かけて学んできた実務の知識をフル動員して妥当と思われる結論を導く必要があります。試験問題が大量ならば,答案も大変です。答案も40枚くらい書きます。
 そして,試験時間は,午前10時から午後5時まで7時間もあり,試験時間中に食事をしなければいけません。2回試験も当然,国家試験なので,厳しい監視下に置かれます。携帯電話は電源を切って預け,問題用紙はおろか,下書き用紙,付箋にいたるまですべて回収されます。
 過去のブログで,司法試験には三振制があるという話がありましたが,2回試験にも平成20年度から三振制が導入されました。司法試験であれば,三振しても復権することは可能ですが,2回試験はどうなるのは謎です。司法試験に受かっている以上,再度司法試験を受けることはできません。もっとも,再度司法試験に受かるかはなはだ微妙ですが・・・
 18日から受験する司法修習生には,三振など杞憂になるようがんばって突破してほしいと願っています。