保険について

 最近、保険について考えることが多かったので、保険に関するお話を少し。

 世の中には、医療保険がん保険・生命保険等、様々な保険がありますので、自分がどの保険に入ればいいのか分からないことが多いと思います。保険の相談窓口や保険の外交員さんにお任せするのもアリですが、やはり自分のためにも保険について一定の知識を持っておくべきかと思います。
 今回は、まず、「自分に必要な保険をどう考えるか」をお話してみます。

 まず、保険とは、「保険」は、将来において可能性のある危険を保険者間で助け合おうというものです。極端な話、ギャンブルで一人だけ大負けする事態を避けるようなものですね。そのため、掛け金を保険代として支払う必要があります。
 ここで重要なのは、①統計学的に、保険で利益を得ることは少ないこと ②個人ではどうにもならない事態に保険が必要であること  の2点です。
 ①については、掛け金より支払額の方が多ければ、保険の制度自体成り立ちません。つまり、掛け金よりも保険でもらえる額の方が少なくて当然だということです。一時金が返ってくる保険等もありますが、ほとんどは一時金の分だけ掛け金が高く、還元率も低いです。
 ②については、例えば、自動車事故等起きてしまえば、個人で賠償することが困難な事柄については、保険が必須ですね。逆に、個人でどうにかなる事態であれば、そもそも保険を掛けておく必要がありません。傷病手当等の公的扶助で十分に賄えることもありますし、基本的に掛け金よりも戻りが少ないのですから、掛け金をいざというときのための貯蓄や投資に回した方が効率的でしょう。(あくまで、統計的な話であり、安心をお金で買うという発想もあります。また、投資目的の保険という商品もあったりします。)

 さて、以上の保険の基本を踏まえると、まず、最初に自分では対処できない事態を想定し、そのために必要な保険の範囲をじっくり検討することが大事となります。
 具体的な事態としては、自分が死亡したときのことを考えてみましょう。
 単身者の場合、自分が死んだとしても困ることはあまりありませんので、死亡保険を掛ける必要性は低いでしょう。仮に相続人のために葬祭費用程度を確保しておきたいという場合でも、多めに貯金をしておくことで十分対応できます。
 一方、専業主婦や子どもがいる家庭の大黒柱である場合、かなり事情が変わってきます。もし、自分が亡くなってしまった場合、家族のために多額のお金を残したいと考えるのが通常でしょう。家族の生活、教育レベルを下げたくないのであれば、遺族年金等の公的扶助を考えても数千万のお金が必要になりますが、これを貯金等で賄うことはまず不可能です。そうなると、数千万円の死亡保険を掛けて対応することになります。
 共働き世帯では、配偶者の生活費を用意する必要がないので、養育費分だけ死亡保険を掛けておくという考え方もできます。

 人によって必要な保険というものは変わってきます。また、時期によっても変わってきます。先ほどの大黒柱のケースで、子どもが成人して養育費を考える必要が無くなった場合、死亡保険の金額を下げることも考えられます。
 
 勧められるがままに保険に入るのではなく、時には、自分にとって本当に必要な保険とは何かをじっくり考えてみるのも良いかもしれません。また、保険の掛け方にも終身保険・定期保険や払込期間の違い等、様々な方法がありますので、機会があればお話したいと思います。